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くだらない「mixi疲れ」を心理学から考える に反論1


「mixi疲れ」を心理学から考える

 SNS(ソーシャルネットワーキングサイト)「mixi」で頻繁に日記を書き、多くの「マイミク」と交流している人が、コミュニケーションに疲れ切ってmixiを突然辞めてしまう――「mixi疲れ」とでも呼ぶべきこんな“症状”が、一部のmixiユーザーに見られている。

 自ら好んでmixiに参加し、コミュニケーションしているはずなのに、辞めたいほど疲れてしまうのはなぜなのだろうか。SNSのコミュニケーション心理に詳しい野村総合研究所上席研究員の山崎秀夫さんに聞いた。

●やめられない、止まらない

 「日記を書いてから5分以上レスが付かないとそわそわします。病気かもしれません」――mixiユーザーの中村初生さんは自らを「mixi依存症」と認め、2004年のある日記にこう書いた。当時の中村さんは、ほぼ毎日日記を書き、友人からのコメントにも欠かさず返事していた。

 mixi日記は、ユーザーによっては、一度書き始めると止められなくなってしまう。日記へのコメント機能やアクセス履歴を表示する「あしあと」機能が、ユーザーに「快感」を引き起こさせるためと、山崎さんは説明する。

 自分の日記にあしあとやコメントが付くと、周囲から認められたという「認知欲求」、自分を受け入れて欲しいという「親和欲求」が満たされ、それが快感になるという。好意を持っていたり、尊敬している相手からあしあとやコメントが付くと、さらに高い快感が得られるため、快感を求めて日記を更新し続けるという“中毒”症状につながる。

 加えて「好意の返報性」も働く。人から受けた好意に対して同じだけの好意を“お返し”し、心のバランスを保とうとする作用で、mixi上では、自分のページにあしあとをつけたり、日記にコメントをつけてくれた人に対して、あしあとやコメントを返そうとする行為として現れる。これによって相手にも好意の返報性が働き、自分の日記にコメントやあしあとが付きやすくなるため、応酬がエスカレートしていく。

 つまり「コメント欲しさに日記を書く」→「コメントが付いて嬉しくなる」→「コメントをくれた人の日記にもコメントを返す」→「自分の日記へのコメントが途絶えると、コメント欲しさに新たに日記を書く」──というサイクルが際限なく続くのが“mixi日記中毒”の正体と言える。

●マイミクは「社章のようなもの」

 友人同士をリンクで結ぶ機能「マイミクシィ」(マイミク)が、この応酬をさらにヒートアップさせる。ユーザーは、別のユーザーにリンク申請して承認されると、自分の「マイミクシィ一覧」上に相手が表示される。マイミクはいわば、友人である証だ。

 山崎さんは「マイミクは、社章のようなもの」と言う。社章を付けた人は、その会社の社員であることを強く意識し、社員としてのふるまいを強化する傾向があると考えられている。A社の社章を付けた人は、より「A社の社員らしくふるまおう」と意識するといい、社会心理学で言う「役割効果」が発揮される。

 マイミクも役割効果を持っているという。マイミク登録・承認することにより、「私はこの人とマイミク(=友人)なのだから、友人らしい振る舞いをしなくては」と意識するためだ。

 mixi上では、あしあとを付けたり、日記にコメントすることが友人らしいふるまいとなる。少数のマイミクだけと付き合っている間は問題ないが、見知らぬ人や1度きりしか会ったことがない人など「にわか友達」をマイミクに加え始め、全員のページにあしあとやコメントを付ける――という作業を繰り返していると、だんだん無理が出てくる。

 見知らぬ多数のマイミクと親しく振る舞おうとする努力は、飲食店店員の笑顔のようなものという。当初は、少ない客に対して心からの笑顔を見せていた店員も、客が増えて忙しくなるにつれ、笑顔が義務化し、笑顔を作ることに疲れ、ストレスをためてしまう。関係が薄いマイミクにあしあとを付け、コメントを付けては疲れるという“mixi疲れ”の症状も同じ構造だ。

●“mixi疲れ”から抜け出すには

 mixi疲れから脱却するためにはどうすればいいのだろうか。山崎さんは、(1)mixiは土日だけしか使わない、といった自主規制ルールを決める、(2)マイミクの数を整理する、(3)会ったことがないマイミクと会う機会を作り、自分と合う人か見極める――といった解決策を提案。最終的には、ユーザーの精神的な自立が必要と説く。

 とはいえmixiは、職場や近所などリアルなコミュニティーの付き合いが希薄となった現代で、その枠を超えた“社交”を可能にし、日々のストレスをいやしてくれるツール。その意味では「国民栄誉賞もの」と山崎さんは評価する。

 mixiをコミュニケーションツールとして気持ちよく使うためには、依存からの脱却は不可欠だ。米国で9000万ユーザーを集めるSNS「MySpace」では、SNS依存についての議論が始まっているという。日本でも、真剣に考えるべき時が来ているのかもしれない。

1 Comments:

At 10:16 PM, Blogger om said...

「mixi依存症なんです」——ソーシャルネットで人生が変わった26歳女性

たくさんの友人ができ、新しい仕事まで舞い込んだ。ネット上の自分のイメージと、現実の自分とのギャップが悩みの種だ。

 タイトル:「日記を書いてから」。本文:「5分以上レスが付かないとそわそわします。病気かもしれません」。

 8月16日、東京に住む中村初生さん(26歳、ハンドルネーム:ふぁる)が、ソーシャルネットワーキングサイト(SNS)「mixi」に書いた日記だ。

 ネットが得意な友人からmixiに招待されたのは3月。PCは苦手で、チャットやメールに使うくらいだった。インターネットにも疎く、SNSが何なのかも分からなかった。mixiがその後の人生を大きく変えることになるとは、想像もしなかった。

 とりあえず、招待メールに従って、ログインしてみた。日記機能があったので、「お弁当のレシピに困っています」という日記を書いた。次の日、知らない人からレスがついた。嬉しかった。ほぼ毎日、日記を書くようになった。レスへの返事も欠かさなかった。

 日記にレスがついていないか、自分のページに誰かが訪問していないか、一日中、気になった。朝起きるとまずPCを立ち上げてmixiをチェック。会社でも、上司の目を盗んでは何度もアクセスした。休みの日は1日中mixiを見て過ごした事もある。友人との旅行にまでPCを持っていって、ホテルでもmixiをチェックした。

 「私、mixi依存症なんです」。

「ネットの人って、もっと“イタイ”と思ってた」
 友人リンク機能「マイミクシイ」にもハマった。マイミクシイは、他のユーザーにリンク依頼し、承認されれば、自分の友達として自分のページに表示できるという仕組み。知らない人ともどんどんつながれるのが楽しかった。

 ある時ふと思い立って、友人と、マイミクシイ数がどこまで増えるか競い合った。この勝負を見届けに、多くのユーザーが、中村さんのページに集まった。勝負の状況を伝える日記のレスで、いつのまにか、負けたほうの罰ゲーム——東京・飯田橋の中華料理屋で、巨大餃子を食べる——まで決まっていた。

 勝負には勝った。面白そうだったから、言われるままに巨大餃子の店を予約した。初めて主催した、mixiのオフ会だった。

 オフ会に参加したのは、勝負した2人と、それを見届けたユーザー11人。初対面の人も多かったが「皆いい人でびっくりした。ネットの人って、もっと“イタイ”と思っていたから」。

 mixiのオフ会は、その後何度も主催した。mixiのビジネスモデルをユーザー皆で考える「mixi版無敵会議」もその一つ。mixiが赤字運営だという記事を読んだ時、1ユーザーとして何か役に立てないかと考え、思いついた。

 場所を借り、内容を練り、80人以上のユーザーを集め、司会を務めた。もともと仕切るタイプではないし、人前で話すのも初めての経験だったが、大好きなmixiのためなら、何でもできた。

mixiで仕事を見つけたという“失敗”
 mixiで、仕事も変わった。4月のある日、mixiがきっかけで知り合った人から、自分が働いているIT系企業に来ないかと誘われた。

 東京で一人暮らしをし、コールセンターのバイトで生計をたてていた当時。実は、そろそろ名古屋の実家に戻ろうと考えていた。実家の母親の健康状態が悪かった。一人っ子の自分が支えてあげないくてはいけないと思っていた。

 「でも、自分と一緒に何かやりたいと言ってくれる人がいる。こんな機会は2度とないかもしれない」——悩んだ末、東京に残って仕事を受けることにした。バイトをやめ、その会社で営業職として週4回、働き始めた。

 マスコミがこのことを聞きつけ、取材に来た。SNSで仕事を見つけるという一つの“成功例”として、新聞に載った。

 でも実は、仕事を受けたことは後悔していた。会社側が期待していたのは、精力的にオフ会をこなし、人脈も広い“mixiのふぁる”。しかし、職場での自分は、シャイで人見知りで、営業は苦手。

 mixiのイベントなら、みんなに喜んでもらうため、盛り上がって楽しむために、頑張れる。でも、好きでもないものを売るための営業の仕事は、ただただ、辛かった。悩んだ。

 「辞めよう」——8月、決意した。

ネットのイメージと、現実とのギャップ
 「mixiを始めてから、一緒に何かしようと声をかけてくれる人は多くなった。mixi内での私は、モチベーションが高くて何でもできる人に見えるみたいで」。

 そのイメージは間違っていると、自分では思っている。「本当の私は、思いつきで行動するだけの、何もできない頭悪い子」。一人歩きする“ふぁる”のイメージと、自身の自己像とのギャップに、悩むこともある。

「mixiのよさを、たくさんの人に伝えたい」
 それでもmixiは大好きだ。mixiがきかっけで、友達が増え、イベントを主催し、仕事をもらい、インタビューを受け──想像もしなかった新しい人生が拓けた。mixiから受けた恩は計り知れない。

 今は、もっとたくさんの人にmixiの良さを知ってもらいたいと強く思っている。mixiを盛り上げるのに少しでも貢献したいから、イベントを積極的に主催したり、取材を受けたりと、広告塔の役割を自ら買って出る。

——あなたにとって、ITとは?

 「新しい世界を切り開いてくれたもの。自分の全く知らなかった、“別世界”に遭遇するきっかけをくれたもの」。

 

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